こんにちは、praconです。
しばらくぶりの銘柄分析になります。新NISAに個別銘柄を充てるかどうかの検討ついでに卸売業界をまるっと見渡してみようと思います。
Ⅰ.検討に使用するデータ
本検討の元とするデータは、SMBC日興証券のスクリーニングデータを引用しています。
これらのデータを視覚化しつつ、今後の投資対象の検討を行います。
Ⅱ.検討対象
検討の対象とするのは、東証のプライム/スタンダード/グロース市場に上場する全卸売企業の中で、時価総額が100億円以上の銘柄(計187社)としました。
Ⅲ.時価総額上位銘柄の分析
まず時価総額ですが、トップはやはり伊藤忠や三菱商事などの総合商社が尚名を連ねますね。4位以下は3位の半分以下の時価総額にはなりますが、それでもどこかで聞いたことのある企業が並んでいます。

今度は、この時価総額TOP10の企業を抜き出して財務指標を軸に表示してみます。使用する指標は私の独断と偏見で選定しています。バブルチャートグラフのバブルの大きさが時価総額になります。
まずは収益性の指標として経常利益率とROEを軸に見てみます。グラフの右上ほど高収益と取れますが、特にサンリオ(8136)が目立ちますね。

続いて還元性の指標として配当利回りと配当性向を軸に見てみます。グラフの右下に位置するほど余力を持って高い配当を出せていると読み取れます。特別抜きんでている銘柄はなさそうですが、その中でも双日(2768)が右下に位置しています。

3つ目は株価の割安/割高の指標としてPBRとPERを軸に見てみます。株価の割安水準はPER15倍以下、PBR1倍以下と言われます。つまりグラフの左下に位置するほど割安と言えますが、ここでも双日(2768)が目立ちますね。割安すぎるのは何か理由のある不人気さの表れと考えていますので、やはり中身をよく調査する必要があります。

Ⅳ.配当利回り上位銘柄の分析
さて今度は欲を出して(笑)、配当利回りが高い順に先ほどと同様の見方をしていこうと思います。TOPは7%のUEX(9888)ですが、下図TOP20の銘柄すべてが4%超となっています。

今度は配当利回りTOP10の企業を抜き出して財務指標を軸に表示してみます。バブルチャートグラフのバブルの大きさは時価総額としています。
まずは収益性の指標として経常利益率とROEを軸に見てみます。グラフの右上ほど高収益と取れますが、そこに位置している銘柄はありませんでした。

続いて還元性の指標として配当利回りと配当性向を軸に見てみます。グラフの右下に位置するほど余力を持って高い配当を出せていると読み取れますが、UEX(9888)が配当利回りTOPでありながらも配当性向も抑えられています。

3つ目は株価の割安/割高の指標としてPBRとPERを軸に見てみます。先ほど同様グラフの左下に位置するほど割安と言えます。PER・PBRの数字的に多くの銘柄が割安水準にあるようです。

Ⅴ.個別銘柄の業績について
上に示したデータをもとに、気になる個別銘柄の業績を見ていこうと思います。業績情報についてはかぶたんを参考にさせて頂いています。
2768 双日
まずは総合商社の一角である双日です。還元性が高く割安、という結果でした。配当は来期増配予想ですね。一方売り上げ予想は未開示、最終利益は今期同等予想と、もう少し今度の見通しについて調査が必要ですね。

9888 UEX
続いて配当利回りがTOPだったUEXです。ステンレス鋼の専門商社になります。配当利回りの算出は期末45円+来季の第2四半期15円=60円から算出されています。肝心の業績ですがここ4~5年は売上・利益がアップダウンしておりいまいち安定性に欠ける印象です。

Ⅵ.おわりに
さまざまな界隈で話題に挙がる卸売業を取り上げました。特にサラリーマンの給与上昇をけん引してくれる業種であり、間違いなく日本を引っ張る存在だと思います。卸売業界で働く方々を応援しつつ、今後も投資対象として吟味していきたいと思います。
ご覧いただきありがとうございました。
*当ブログは特定の銘柄の売買を推奨するものではありません
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