こんにちは、praconです。
今回は、電気機器を取り扱う企業に絞って、掘り出し物の銘柄がないか見ていこうと思います。
関連株への投資を検討中の方は、参考にしてみてください。
検討に使用するデータ
本検討の元とするデータは、SMBC日興証券のスクリーニングデータを引用しています。
これらのデータを視覚化しつつ、今後の投資対象の検討を行います。
検討対象
検討の対象とするのは、東証のプライム/スタンダード/グロース市場に上場する電気機器を業種とする全銘柄(計241銘柄)としました。
今回もいくつかの株式指標に対する各銘柄の特徴を整理しようと思います。
時価総額・自己資本比率・経常利益率 TOP10
時価総額ですが、TOPはAV機器大手のソニーグループ(6758)、2番手は計測制御機器大手のキーエンス(6861)です。キーエンスは自社工場を持たずにアウトソースする”ファブレス経営”で有名です。
そしてキーエンス(6861)は、自己資本比率と経常利益率でTOPという点から、かなり健全・高収益な経営であることが伺えます。キーエンス以外の企業も、自己資本比率・経常利益率ともに決して低くない水準にあります。
配当利回り・1株配当・配当性向 TOP10
続いて配当利回りTOP10を見てみます。
TOPは不正会計でニュースにもなった、総合電機の東芝(6502)で、配当利回りは6.3%と高水準です。6%を超えるのは東芝以外にも、電設資材の配電盤・キャビネット大手の日東工業(6651)、画像処理モジュールを主力とするアバールデータ(6918)と続きます。その他5%前後の銘柄もいくつかありますね。
配当性向が最も低いのは、医療機器向け温度センサーを専業とするSEMITEC(6626)です。かぶたんにて業績を見てみると、売上高・利益ともに伸びています。配当性向は抑えられていますが、業績は好調。事業への投資に積極的なのかもしれません。
PER・PBR・EPS TOP10
続いて割安指標ですが、TOP10の銘柄いずれも低いですが、その中でも、ネットワーク機器を国際展開するアライドテレシスホールディングス(6835)が極めて低いですね。一方PBRのTOP10はいずれも0.3倍前後と、割安銘柄が多い印象です。
考察
最後に複数の指標を組み合わせて考察していきます。
下の2つの図はいずれも時価総額が大きい10銘柄をピックアップしたものになります。(今回配当性向100%を超える銘柄は外しています。)
左の図は、経常利益率と自己資本比率を軸に、
右の図は、配当利回りと配当性向を軸としています。
左の図は右上に位置しているほど健全な経営だと考えられます。先ほども取り上げたキーエンス(6861)が右上に位置しています。かぶたんにて業績も見てみると、配当利回り自体は0.58%と低めなものの、2022年は売上高・利益ともに過去最高を記録しています。配当も2023年は増配予想です。
右の図は右下に位置するほど、余力を残しつつも高めの配当を出している、と考えられます。しかし特に目立って右下に位置しているものはありません。(配当利回りが高い企業は、配当性向も高くなっています。)。見方を変えると、東京エレクトロン(8035)やキヤノン(7751)は配当での還元に積極的で、ソニーグループ(6758)や富士通(6702)は消極的(裏を返せば事業投資に積極的)、といった企業ごとの特徴も読み取れそうです。
続いて下の図は、配当利回りが大きい10銘柄をピックアップし、配当利回りと配当性向を軸としたものです。バブルチャートの大きさは1株配当としました。
先ほどのグラフと同様に右下に位置する銘柄を見ると、コネクターやスイッチ、マイク部品等の情報通信部品の大手であるホシデン(6804)が、配当性向を30%程度に抑えつつ、配当利回りは5%強あります。
ホシデン(6804)の業績を見てみると、売上高のアップダウンはありますが、配当は増配傾向にあり2023年のEPSは過去最高予想となっています。過去売上高が低迷していた時期もあるので、業績の波が何の影響によるものだったのかを調べたほうがよさそうです。
最後に割安指標を集約しています。下の図はEPS(1株当たり純利益)が大きい10銘柄をピックアップし、PERとPBRを軸としたものになります。グラフの左下にあるものほど割安といえます。キーエンス(6861)と東京エレクトロン(8035)が目立ちますが、どちらもPER・PBR的にかなり割高です。人気銘柄だということがわかりますね。
対して左下に位置するのは、産業用小型スイッチの専業大手であるNKKスイッチズ(6943)です。
NKKスイッチズ(6943)を見てみると2022年からEPSが急激に伸びています。これによりPERとPBRが低下していると考えられます。この業績が継続するようであれば、株価の伸びが期待できますね。
終わりに
電気機器関連の銘柄は、よくCMなどでも取り上げられる企業が多く、親しみやすい調査となりました。一方で、知名度で買われている可能性も考慮して、投資対象の検討が必要だとも感じました。
知名度だけではなく、中身(財務)をよく見て銘柄を選定できれば、後悔なく投資できそうです。
ありがとうございました。
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