こんにちは、praconです。
今回は、卸売業に絞って、銘柄を見ていこうと思います。
検討に使用するデータ
本検討の元とするデータは、SMBC日興証券のスクリーニングデータを引用しています。
これらのデータを視覚化しつつ、今後の投資対象の検討を行います。
検討対象
検討の対象とするのは、東証のプライム/スタンダード/グロース市場に上場する卸売業の全銘柄(計305銘柄)としました。
今回もいくつかの株式指標に対する各銘柄の特徴を整理しようと思います。
時価総額・自己資本比率・経常利益率
まずは時価総額ですが、伊藤忠商事(8001)、三菱商事(8058)、三井物産(8031)と続いていますが、規模間としては同等レベルです。
対して自己資本比率と経常利益率は顔ぶれがまったく変わり、ナガイレーベン(7447)がトップになります。ナガイレーベンは衛生白衣の大手、医療関係ウェアの卸売りが中心です。
配当利回り・1株配当・配当性向
続いて配当関連です。
配当利回りはENEOS系の販社である、富士興産(5009)がトップでした。他に5%超の利回りの企業が並んでいますので、掘り出し物がありそうです。
また、配当性向が低めのグループは、配当を出せないのか、出さないのか(投資など)を調べる必要がありますね。
PER・PBR・EPS
続いて、PER・PBRですが、先ほどまでの時価総額や配当利回り上位の企業とも顔ぶれが違います。
PERが最も低いのは、日本紙パルプ商事(8032)。国内の紙流通の首位企業になります。また、2番目にPERが低い阪和興業(8078)は独立系の鉄鋼商社です。他の企業もPERが十分低いといえますので、取扱商品を調べれば、どういった背景で割安になっているかがわかりそうです。(紙なら電子化、鉄鋼なら原料の高騰、原油高などなど)
考察
加えて複数の指標を組み合わせて考察していきます。
下の2つの図はいずれも時価総額が大きい10銘柄をピックアップしたものになります。
左の図は、経常利益率と自己資本比率を軸に、
右の図は、配当利回りと配当性向を軸としています。
伊藤忠などの総合商社をはじめとして自己資本比率が40%前後なのに対して、FA・金属部品の専門商社であるMISUMIを擁するミスミグループ本社(9962)は、自己資本比率が80%近く、経常利益率も14%と、時価総額が大きい当グループ内では固い経営に見えます。一方で配当利回りは1%強と低めですが、配当性向も25%程度と、余力のある還元を行っていそうです。
気になって”かぶたん”で売り上げなどの推移を確認しましたが、2023年も最高益予想、配当も徐々に増えていますね。
続いて下の図は、配当利回りが大きい10銘柄をピックアップし、配当利回りと配当性向を軸としたものです。バブルチャートの大きさは1株配当としました。
配当利回りトップとして紹介した富士興産(5009)は、配当性向100%、、配当を維持できるかどうか不安が残ります。
一方で配当性向を抑えつつ配当利回りが高いのは、神戸製鋼系の専門商社である神鋼商事(8075)です。鉄鋼系は原料の高騰と自動車の減産の影響を考える必要があると考えられますので、配当を維持できるかどうかは個別に検討が必要そうです。
最後に割安指標を集約しています。下の図はEPS(1株当たり純利益)が大きい10銘柄をピックアップし、PERとPBRを軸としたものになります。グラフの左下にあるものほど割安といえます。
注目したのは総合商社である、三菱商事(8058)や三井物産(8031)も、割安水準といわれる、PER15倍以下、PBR1倍以下の範囲に入っていることです。卸売業という業界全体が割安である可能性も考えられます。
終わりに
今回は、考察の中で少々個別銘柄にも触れてみました。本来の目的である投資銘柄の絞り込みにトライしてみた形になります。
一方で、卸売業は原料や取引企業の状況にも左右されると考えられますので、考察対象の企業群だけではなく、各国の情勢・政治状況にも目を向けていきたいと思います。
ありがとうございました。
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